医療保険別の健診率

 企業や役所に勤める人の医療保険者は、大企業などの健康保険組合2,922万人、公務員などが入る共済組合882万人、中小企業の協会けんぽ3,600万人の3つに大別されます。日本の企業従業員数の7割は中小企業が占めています。従業員の健康を重視する大企業は増えていますが、中小企業にはまだ広がっていません。4074歳の健康診断・特定健康診査の実施率は、健保組合、共済組合が7割超なのですが、協会けんぽは4割台に過ぎません。1人当たりの医療費は、健保組合が約149,000円なのに、協会けんぽは約167,000円と高くなっています。
 労働環境の悪い中小企業は、健診率が低く、健康状態が悪化しているため医療費が高くなっています。長時間労働の影響で肥満、脂質の値が悪くなり、女性では夜勤もある社会福祉・介護でメタボが多いことも分かっています。労働環境が厳しいほど健康状態が悪化することが示されています。大企業内でも外勤と内勤では健康状態に差がみられています。内勤では健康教育が行き届きやすいのですが、外勤者は喫煙率も含め企業の健康増進のためのキャンペーンが伝わりにくく、ヘルスリテラシーの低い人が多くなっています。

(2017年7月2日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)

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