医療的ケア児の支援

 医療的ケア児とは、たんの吸引や経管栄養など医療介助が日常的に必要な児をいいます。この医療的ケア児の通学について、自治体が支援する動きが広がり始めています。医療的ケア児の通学の付き添いは、保護者にとって大きな負担になっています。文部科学省の保護者調査によれば、付き添いの回数について、半数近くが平均週10回以上と回答しています。交通手段は9割以上が自家用車で、ほぼ毎日保護者の運転に頼っています。
 多くの自治体は、医療的ケア児のスクールバスでの集団送迎を禁じています。安全確保の観点からスクールバスの利用を制限される場合が多く、保護者による送迎が負担となっています。看護師らによる送迎代行サービスや介護タクシーを活用し、通学の壁を取り払おうとしています。学校での家族以外との交流は、子どもの発達にとって重要です。安全性確保とバランスを取りつつ、保護者の負担を減らす送迎ルールや仕組みを整えなければなりません。

 

(2017年9月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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