医療的ケア児

 厚生労働省研究班は、インスリンなどの自己注射を除き、人工呼吸器、酸素療法、胃ろうなど、周囲の支援が必要な在宅医療を受ける子どもを医療的ケア児と定義しました。2007年度は約8,400人でしたが、2015年度は約17,200人に達しています。このうち人工呼吸器をつけているのは約3千人です。小児に対応できる訪問看護ステーションは少なく、親の休息のための子どもの短期入所レスパイトができる病院や施設も限られています。訪問入浴など、利用できる福祉サービスも自治体によって異なります。
 医療的ケア児の多くは特別支援学校に在籍しています。呼吸器をつけている子どもなどは、学校内でも保護者の付き添いが必要です。両親の負担を減らすべく、自治体は公立学校への看護師の配置を進めています。子どもは、他の子どもの声に反応して表情が豊かになります。障害への理解の点からも、学校に通うことが理想的です。保護者の負担にならない通学手段の整備が必要になります。

(2017年5月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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