単身世帯の増加

 わが国では、一人暮らしが増えています。2015年の国勢調査によれば、単身世帯は約1842万世帯と5年前より160万世帯以上増えました。特に増加が際立つのが高齢女性と中高年男性です。配偶者と死別した高齢者は、子どもと同居することが多かったのですが、同居せずに1人暮らしをするケースが増えています。未婚率の上昇も、単身世帯の数を押し上げています。団塊の世代が全員80歳以上になる2030年には、単身世帯が最も多いのは80歳以上となり、現状の1.6倍程度と推計されています。
 高齢単身者の貧困率は、高齢者全体の2倍程度と高い水準にあります。単身世帯では、無年金の人や基礎年金のみの受給者が多くなっています。増え続ける1人暮らしの高齢者を支えるには、地域に根ざした医療・介護の体制整備が必要になります。さらに地域ぐるみで支え合いを可能にする人間関係づくりの両方を進めることが大切です。

(2017年9月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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