原因不明の小児肝炎の発症

原因不明の小児肝炎は、今年4月に英国からWHOに患者が相次いでいると報告がみられています。これを機に、英国を中心に米国など各国からも報告が続いています。WHOによると、2021年10月以降に発症した16歳以下の原因不明の急性肝炎の報告は、35カ国から1,010人にのぼっています。重症化し肝移植に至ったのは46人、死者は22人です。国内では122人が報告されています。
肝炎は、何らかの原因によって肝臓に炎症が起き、肝臓の細胞が破壊されている状態です。目や肌が黄色くなる黄疸や倦怠感などの症状が出ます。原因はA~E型のウイルス性が代表的で、薬が原因となる薬剤性肝炎や、ウイルスなどから体を守ろうとする免疫が何らかの原因で過剰に反応し、自分の肝臓を攻撃する自己免疫性肝炎などもあります。しかし、今回報告されているケースは、いずれにも当てはまりません。新型コロナウイルスとの関連は不明です。国内で急増している様子はみられていませんが、関連学会なども調査に乗り出し、原因の特定を進めています。

(2022年12月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。