原発事故で避難した住民に対するいじめ

 朝日新聞らの調査によれば、避難先でいじめや差別を受けたり、被害を見聞きしたりしたことがあると答えた人は、62%にも達しています。共同調査に携わった福島大学の今井照教授の話によれば、避難者いじめの被害に遭ったり、見聞きしたりする人がこれほど多かったのは驚いたとしています。避難者であることを言えない人が多い実態もこの調査で鮮明になりました。
 背景には、原発事故の責任者が明確にされていないという構造的な問題があります。国も実質国有化された東電も刑事責任を問われておらず、除染などの費用は国民負担で賄われています。原発事故の加害者が見えにくくなっていることが、避難者の被害者という立場を脆弱なものにしています。避難者は被害者であるという認識を社会全体が持つべきです。

(2017年2月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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