受動喫煙と子どもの肥満

 厚生労働省の調査によれば、乳児期に受動喫煙があった子どもは、成長期後に肥満になる割合が高いことがわかりました。室内で喫煙する親からの受動喫煙が生後6カ月時点であった男児の13歳での肥満率は、そうではない場合に比べ約3ポイント高く、女児も約2ポイント高いとの結果でした。2001年に生まれた子どもを追跡する21世紀出生児縦断調査で、子どもが13歳となった13回目の調査結果を詳細に分析しています。対象は男女計約25千人です。
 生後6カ月時点で親が喫煙していることを考えれば、妊娠中も喫煙している可能性が高くなります。妊娠中の母体の受動喫煙による胎児への影響が、出生後の肥満に関与する可能性も否定できません。今回の調査では、乳幼児期の受動喫煙と成長後の肥満の因果関係は明確ではありませんが、長期のフォローアップが必要と思われます。

(2017年3月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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