受精卵のゲノム編集

文部科学省と厚生労働省は、ヒト受精卵のゲノム編集について、基礎研究に限り認める方針を決めました。2019年4月にも解禁します。しかし、子宮に戻すような医療応用は当面禁止します。研究に使用する受精卵は、不妊治療で余ったもので、冷凍保存期間を除いて受精後14日以内のものとします。改変した受精卵を人や動物の胎内に戻すことは、倫理面や安全面の問題から禁止します。
ゲノム編集を使って受精卵の遺伝子の機能を調べることで、不妊症のメカニズムの解明などが期待されます。受精卵のゲノム編集は海外が先行しています。中国では2015年に遺伝性難病の治療などを目的に始まっています。米国では2017年に遺伝性の心臓病を引き起こす遺伝子変異を高い効率で修復する実験に成功しています。英国でも不妊症の原因を調べる生殖補助医療の基礎研究が始まっています。

(2018年9月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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