喫煙による医療費

 厚生労働省の研究班によれば、2014年度に喫煙が原因で余計にかかった医療費は約14,900億円に達し、国民医療費の4%近くを占めていました。患者数は100万人を超え、病気で入院し、働けないことによる損失額は、約2,500億円に上ると推計しています。厚生労働省が2016年度に公表したたばこ白書で喫煙との因果関係が確実だとした病気を対象に、40歳以上の国民医療費から算出しています。
 喫煙者本人では79万人が病気となり、医療費は11,669億円に上ると推計しています。肺がんや胃がんなどによるがんが7,087億円で最も多くなっています。心筋梗塞などの虚血性心疾患が2,001億円、脳梗塞などの脳血管疾患が1,953億円、慢性閉塞性肺疾患が626億円と続いています。一方、受動喫煙では24万人が病気となり、医療費は3,232億円と推計されています。内訳では、脳血菅疾患が1,941億円、虚血性心疾患が955億円、肺がんが335億円です。がんなどの病気で入院を余儀なくされ、働けないことによる経済的な損失額を2,493億円と試算しています。また、休憩時間を除く勤務時間中に、たばこを吸うために席を離れることによる損失額を5,496億円と見積もっています。

(2017年5月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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