団塊の世代の歩み

団塊の世代は、人数の多い同世代と競争しながら、高度経済成長に貢献し、恩恵も受けてきました。寿命が伸び、健康で過ごせる時間も長くなり、元気なシニア世代です。定年後、職場の仲間に頼られるのが生きがい、規則正しい生活をして健康でいたいなどと、働き続ける人も多くなっています。
2022年からの3年間は、日本にとって高齢者の高齢化が急速に進む時期です。約600万人の団塊の世代が、順次、75歳以上の後期高齢者になっていきます。後期高齢者になると、それまで元気だった人も健康上の問題を抱えるリスクが高まり、2025年には団塊の世代が全員75歳以上となり、医療や介護など社会保障にかかる費用の膨張が見込まれることから、2025年問題とも呼ばれています。
高齢者が、企業や地域で貢献し続けていくためには、本人が意識を変える必要があります。若い頃の価値観や考え方を押しつけては、周囲との摩擦を生み、実力があっても受け入れてもらえません。求められる役割の変化を受け入れて、新しいやり方を学ぶことも大切です。年金や医療、介護などの社会保障費は増え続けています。制度を維持するためには、意欲と能力のある高齢者が担い手の役割を果たせるよう、社会の中で活躍できる土壌が欠かせません。

(2022年1月4日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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