国家試験におけるコロナ救済策

医師や看護師の国家試験が来月に迫る中、新型コロナウイルスに感染して受験できなかった場合、追試験の措置がないことに受験生から不安の声が上がっています。医師国家試験と看護師国家試験は年1回の実施で、昨年は全国計約7万6,000人が受験しています。心身の不調を理由とした追試は、緊急事態宣言下にあった昨年を含め、これまでも実施していません。医師国家試験の場合は、8カ月ほどかけて作問しており、本試験と同じ質の問題を短期間でつくるのが難しいのが実情です。
受験当日に発熱症状が見られた人は、抗原検査キットで陰性であれば別室で受験できるほか、濃厚接触者でも自治体などのPCR検査で陰性であれば受験は可能です。エッセンシャルワーカーである看護師は、コロナ下で特に不足しており、もしコロナ感染して受験できずに内定取り消しとなれば、雇用側への影響も大きく、医療業界全体にとってマイナスとなります。
他の主な国家試験も、多くが年1、2回と受験できる機会が限られているものの、追試などによる救済措置はありません。司法試験は、昨年新型コロナの濃厚接触者の受験は禁じませんでしたが、発熱など感染が疑われる場合は受験を控えるよう周知しています。感染者については受験を禁止しました。公認会計士試験は、新型コロナ陽性者や濃厚接触者の受験を認めず、当日会場で発熱が確認された場合、受験希望者は別室での試験を求めています。

 

(2022年1月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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