国民年金の繰り下げ受給

20~59歳の全員が加入する国民年金(基礎年金)は、年金をもらい始める時期が原則として65歳からですが、60~70歳の間で早めたり、遅らせたりできる仕組みがあります。65歳で受給開始の手続きをせず、1年以上遅らせると、1か月あたり0.7%、65歳でもらい始めた時より年金額が増えます。現在の制度では、繰り下げは満66歳から最大70歳まで可能です。70歳まで繰り下げると42%(0.7%×60か月)の増額になります。満額の人なら月約9万2,000円まで増えます。
70歳まで繰り下げた人が受け取る年金の総額は、82歳になる直前に、65歳から本来の額を受け取っている場合を上回ります。ただ、年金額が増えると、税や社会保険料の負担が大きくなる可能性があります。70歳まで繰り下げるつもりだった人でも、途中で予定を変更して受け取り始めることもできます。高齢期も働き続ける人が増えており、政府は繰り下げ可能な年齢を70歳超に引き上げる検討もしています。繰り下げの仕組みは、会社員などが加入する厚生年金も同様です。

(2019年2月7日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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