在宅勤務の導入―Ⅰ

システム構築の必要性
新型コロナウイルスの感染防止対策として、在宅勤務を実施する企業が急増しています。企業全体の生産性を落とさず、在宅勤務が実をあげることが大切です。独立行政法人の労働政策研究・研修機構が、2015年に実施した在宅勤務などテレワークに関する調査によれば、従業員が考えるメリットで最も多かったのは、生産性・効率性が向上するとする回答が54.4%を占めています。
在宅勤務であっても労働時間の把握は企業の義務となります。原則として、仕事のためにパソコンを使った時間など客観的な記録が求められています。働く側も勤務中に一時的に仕事から離れる時間は、開始と終了時に報告するなど仕事とプライベートを分けて管理しておかなければなりません。長時間労働につながらないための具体的な対策も必要です。業務に関するメールをやりとりする時間を設定し、深夜や休日に送らないようにしなければなりません。社内のシステムにアクセスするできる時間を制限することが必要になります。労働時間は原則1日8時間とし、開始時と終了時に上司にメールや電話で報告します。
総務省によれば、2018年時点で企業の在宅勤務などテレワークの導入率は19.1%で、前年より5.2ポイント増えています。働き方改革の手段の一つとして広がりつつあり、今回の新型コロナウイルスの感染拡大を機にさらに普及が進む可能性は高くなっています。しかし、在宅勤務の環境が整っていないという企業も少なくありません。在宅で働くルール作りとともにハード面でも備えが重要になります。

(2020年3月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。