大学における外国人教員比率

 日本の大学の国際化がなかなか進みません。世界大学ランキングで上位に顔を出すのは一握りで、留学生の受け入れ比率なども世界的に低い水準のままです。英米の一流大学では、外国人比率が34割に達しており、多様性の高さが研究や教育の質を高めています。一方、日本では外国人教員は5%程度であり、大半が35年の任期付きです。せっかく日本に来ても、任期中から次の就職先を探さねばなりません。日本語を学ぶ余裕すらなく、結局は定着できず、日本を去ってしまいます。欧米の有力大学では教員を採用する時、一流学術誌に掲載された論文数や引用数といった定量的評価と学外の第三者による定性的な評価を併用し、大学が本当に必要とする人材を国内外から選んでいます。
 学生の英語力が足りないので英語で授業ができず、外国人教員を呼べないという悪循環は確かにあります。日本人は中学から大学まで8年間も英語を学んでいますが、日本の英語教育全体に重大な欠陥があると思われます。日本の大学の国際化の遅れは、既に競争力の低下を招いています。

(2017年7月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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