大学の定員と18歳人口のアンバランス

文部科学省によれば、戸津府県別の大学入学定員数が最も増えているのは東京都です。2016年度は制限法廃止後の最初だった2002年度に比べ、1万8,281人も増え、増加数は2位の大阪府の2.2倍にあたります。都心回帰に伴う定員増と少子化を背景に、私立大学は受験生が合格しやすくなっています。18歳人口は下がり続け、2016年度は2001年度比で19%減っています。逆に主要大学の定員数は増加しています。そのため、定員1人あたりの競争率を計算すると、倍率は低下傾向にあります。
私立大学数は増え、学生確保の競争は激しくなっています。2016年度は2000年度から122校増え、全国で600校になっています。少子化で全国で学生を奪い合う構図が鮮明になっています。都心回帰で定員を増やしたい私立大学と、都心への人口流入を止めたい国、大学の魅力をどう高めるか、国として私立大学の経営をどう安定させるのかが問われています。

(2018年3月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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