大学進学後の奨学金の必要性

国立教育政策研究所は、2019年度に高校3年生の子どもを持つ保護者に、進学後の奨学金の必要性について調査しています。進学後の授業料や生活費を賄うために、奨学金が不可欠または必要と答えた人は、年収400万~650万円未満世帯で71.7%、650万~850万円未満世帯で65.4%にも達しています。
返済が要らない給付型の奨学金の多くは、所得制限があります。そのため、中間層が受けるのは貸与型が多くなります。貸与型を受給している大学生のうち、返済に不安を感じている人は7割もいます。政府の教育未来創造会議は、5月に低所得者向けだった授業料減免と給付型奨学金の修学支援を、中間層に拡大することを提言しています。
国内の奨学金事業の約9割を担う日本学生支援機構によれば、2020年度末現在で、奨学金の総貸与残高は約9兆5,900億円にも達しています。借りているのは約616万人です。金銭的な問題から進学を諦める学生も多く、ボーダーを決めて支援するような政策は改めるべきです。

(2022年7月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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