大腸ポリープの切除

 大腸ポリープは、大腸の粘膜にできるいぼ状の突起物です。89割が良性の腺腫ですが、大きくなるとがん化の恐れがあります。大腸がんによる死亡者数は年々増えて、2015年は約5万人にも達しています。がんの死因では、男性は3番目、女性で最多です。大腸がんの多くはポリープからで、5㎜以下は0.2%、69㎜は3.1%、10㎜上は31.4%からがんが見つかるとされています。
 そのためポリープは一定の大きさ以上になると、予防のために切除します。ポリープの茎部分にワイヤをかけて焼き切る手法が主流です。茎がない平らな場合は、粘膜の下層に生理塩水などを注射して盛り上げて同様に切ります。しかし、血管が通る層に熱が伝わってやけどが広がり、切除の数日後に出血や大腸に穴が開くといった合併症の恐れがあります。熱を使わない新手法は、合併症のリスクを抑え、治療時間も短いのも利点です。切除する大きさは10㎜未満の良性腺腫が一般的で、10㎜以上の大きなポリープやがんなどは従来法で切除します。日本消化器病学会のガイドラインは、6㎜以上のポリープの切除を推奨しています。ここ数年、ポリープを全て切除するクリーンコロンが進んでいます。


(2017年5月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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