奨学金制度

 日本学生支援機構の奨学金は広く知られています。その大半は貸与型、つまり借金です。利子付きと無利子の2種類があり、2015年度には合わせて約132万人が借りています。実に延滞している人は約32万人、延滞額総額は約880億円にのぼります。延滞者のうち奨学金申込時に返済義務があることを知っていたのは半数で、2人に1人が借金であることを知らずに申請しています。大学が独自に導入している給付型奨学金もあります。1人当たりの受給額は、私立が最も高く年額35万円です。
 日本学生支援機構の奨学金の大半は、有利子の借金ですから、月に12万円借りたら、卒業時には約600万円にもなります。卒業後の返済計画をあらかじめ十分に考えておく必要があります。偏差値のみで受かりそうな大学を選ぶのではなく、入学後にどんな生活をするのか、卒業後はどう生きるのかを、費用面から考えておくことも大切です。延滞した際の機構からの取り立てには大変厳しものがあります。本人が返済できない場合や自己破産した場合は、連帯保証人に請求されます。

(2017年7月14日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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