女性活躍への道

 平成元年と比べると、女性の大学進学率が増えるにつれ、平家イン初婚年齢は上昇してきています。20代後半の女性の就業率は8割を超えていますが、女性の賃金は、男性の7割前後に過ぎません。「男女の地位は平等になっていると思いますか」と7分野について聞いた内閣府の昨年の世論調査においても、平等だと思う人が最も少ないのが政治の場で18.9%に過ぎません。最も多いのは、学校教育の場で66.4%です。
 平成元年に参議院の女性議員は初めて1割を超えました。2割を超えたのは昨年です。もし30年で1割ずつアップするのなら、男女半々になるのにあと90年ほどかかることになってしまいます。衆議院はさらに少なく、世界の国会(下院)女性比率ランキングで、日本は9.3%で164位です。何故、女性議員を増やす必要があるのでしょうか。女性の関心度は、医療、高齢者、子育て、物価などであり、男性は行財政や外交を重視します。男性ばかりの議会では、男性は気がつきにくい問題が議題になりにくかったり、後回しにされたりします。女性議員が増えると、それまで政治問題化されなかったことが議論されるようになります。
 女性の社会進出という言葉自体もおかしいかもしれません。社会には男性のみならず、女性も子ども達もいます。あえて、女性に社会進出ということは、これまで女性は社会の構成員ではなかったとも言うのでしょうか。わが国の少子高齢化社会を乗りきるためには、女性目線が是非とも必要となります。

(2017年8月31日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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