女性研究者の働きやすい環境づくり

 総務省の調査によれば、企業も含めた女性研究者の割合は、20163月末で15.3%に過ぎません。欧州、米国の半分以下であり、韓国も下回っています。国は新規採用の研究者の女性比率を2020年度までに3割にする目標ですが、達成できそうにありません。海外の大学では、教員はもちろん学生も使える育児施設があり、女性の研究支援を後押ししています。
 大学の育児支援の遅れは、女性研究者のキャリアにも影響を与えています。文部科学省の調査によれば、大学教員に占める女性の割合は23.7%です。若手が多い講師は31.7%と登用が進んでいますが、教授になると15.5%まで下がります。大学のキャンパス内に保育所を設ける動きが広がっています。日本の大学は子育て支援が遅れているとされてきましたが、女性研究者らが働きやすい環境づくりがようやく整ってきています。

(2017年8月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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