妊娠に備えて接種しておくべきワクチン

妊娠中は生ワクチンの接種ができないことから、妊娠前に予防を完了しておくことが重要です。特に大切なワクチンとして、麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜが挙げられます。これら4疾患のワクチンは、麻疹、風疹混合(MR)ワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンとして接種可能です。接種回数は1歳以上で2回であり、接種記録を確認しておくことが大切です。記録がない場合は受けていないと考えて、未罹患の場合は妊娠前に受けておくことが勧められます。またこれらのワクチンを接種後2か月間は、妊娠を避ける必要があります。
不活化ワクチンは妊娠中でも接種可能です。2009年の新型インフルエンザの流行まで、日本では妊娠中のワクチン接種はほとんど実施されていませんでしたが、日本産科婦人科学会が妊婦に積極的な接種を推奨したため、インフルエンザに罹患した妊婦に死亡者はみられませんでした。世界では多数の死亡者がみられ、これは世界に誇るべきわが国の業績です。妊娠中にインフルエンザに罹患すると重症化が心配されることから、妊婦自身がワクチンを受けて重症化予防を講じることが行われるようになりました。

(月刊 母子保健 2019年4月号)
(吉村 やすのり)

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