子どもとスマホ

スマートフォンやタブレット端末は、電話や文字のやりとりだけでなく、調べ物、動画や音楽の視聴、ゲームなど、今や生活に欠かせません。子どもたちの生活ぶりを聞くと、週末夜遅くまでテレビやビデオを見ています。最近はテレビがネットにつながったスマートフォンやタブレット端末に変わっています。使い始めも低年齢化しています。ベネッセ教育総合研究所の調査によれば、2歳くらいからほとんどの子どもがスマートフォンに接しています。内閣府の調査でもひとりで操作する子の比率も上昇しています。

 

乳幼児にスマホのアプリや動画を見せることで、親子がお互いに目を合わせ、スキンシップをし、愛着形成や子どもの健全な成長を助ける時間が減ります。家事をする際、子どもがおとなしくしているようにスマホなどを見せる保護者がいます。スマホが今の生活に欠かせないのは事実です。ただし、子どもが小さなうちは、どの動画やアプリをどれぐらいの時間見せるのか保護者がしっかり管理し、なるべく一緒に見たり使ったりするべきです。
悪影響が出るのは度が過ぎた場合です。電車でスマホを見せたり、授乳中にスマホを見たりする程度は目くじらを立てるほどのことではないと思います。スマホのアプリには、子どもの興味の幅を広げてくれるものもあります。現代社会は、パソコンやスマホなどが使えなければ、学業にも仕事にも日常生活にも支障が出ます。お父さんは休みの日はスマホでゲームをしている、お母さんは僕の顔を見ずにスマホばかり見ているというような状況は避けるべきです。しかし、依存症で貴重な子ども時代の時間を失わないよう、スマホを使わせる際には大人のかかわりが欠かせません。

(2018年8月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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