子どものぜんそく

ぜんそくは、気道が慢性的に炎症を起こし、狭くなって起こります。「ゼー、ゼー」、「ヒュー、ヒュー」と音をたて、呼吸が苦しくなります。ダニやホコリ、感染症、運動、気候の変化などの刺激で発作が起きます。国内では子どもの有病率は約5%とされています。最近、子どもの重症患者に使える新たな薬が出て、治療の幅が広がってきています。
治療は気道の炎症を抑えて発作を起こさないようにする長期管理薬と、発作が起きた時に気道を広げて症状を和らげる発作治療薬を併用します。長期管理薬は症状に応じて、主に吸入ステロイド薬や、気管支の収縮を引き起こす化学伝達物質の放出を抑える飲み薬であるロイコトリエン受容体拮抗薬を使用します。症状が改善しない時は、炎症を起こす物資を標的にしてその働きを抑える注射薬の生物学的製剤を使用します。アレルギーを起こすIgEという物資の働きを抑える薬であるソレアが6歳以上の子どもに、ヌーカラという別の生物学的製剤も12歳以上で保険適用になっています。
症状を抑えるには薬による治療だけでなく、ダニやホコリをなくすなど、自宅の環境を整えておくことが大切です。ダニがすみつきやすい布団やソファは、週に1回は掃除機をかけたり、ぬいぐるみも洗えるものにすることが必要です。カビも発作を引き起こす恐れがあるため、エアコンや加湿器を掃除したり、禁煙を心がけなければなりません。

(2018年7月18日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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