子どもの夏風邪

子どもがかかりやすい夏風邪には、プール熱(咽頭結膜熱)やヘルパンギーナ、手足口病などがあります。今年はプール熱が6月から本格的に流行しています。アデノウイルスによる感染症であり、プールの水の塩素殺菌が不十分だった時代に、プールで感染が広がったのが名前の由来です。38度以上の発熱やのどの痛み、目の結膜炎といった症状が出ます。高熱は5日前後続くこともあります。
ヘルパンギーナは、熱が急に出て口の中に水疱性の発疹ができます。水疱は喉の奥にある口蓋垂の周りにもでき、破れると潰瘍になって激しく痛みます。強い痛みが原因で、食べたり飲んだりするのが困難になることもあります。手足口病も口の中に水疱ができます。手のひらや足の裏にも水疱ができて、発熱がみられます。主にエンテロウイルスやコクサッキーウイルスによって発症します。

予防はうがいと手洗いです。外出から戻ったら、石けんで手や指を30秒ほどこすり洗いするのを、習慣にすることが大切です。夏風邪にかかった場合は、安静にして、解熱鎮痛剤などで症状を抑えながら回復を待ちます。脱水に注意すべきであり、十分な水分を取ることが大切です。喉の渇きを訴えられない乳幼児は、尿の色が濃くなれば、脱水のサインです。体温並みに温めた経口補水液や、少量の塩を溶かした白湯などを飲んで、十分な水分を補うべきです。

(2018年7月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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