子どもの弱視の早期発見

子どもの弱視は早期の発見と治療が重要です。遠視や近視、乱視などがあり、治療が遅れると将来にわたり視力に影響が出る恐れもあります。生後1か月頃にほぼゼロの視力は、脳の情報処理能力が上るにつれて3歳頃までに急速に発達し、4歳頃の目安は1.0です。この感受性期に、何らかの要因で視力の成長が止まり、視力が目安を下回り眼鏡をかけてもよく見えない状態になるのが弱視です。
両目が弱視なら、子どもは近寄って物を見ようとするなど行動に変化が表れます。問題は、片方の目だけが弱視で左右差がある場合です。不同視弱視と呼ばれており、脳が片方の目に映った情報だけを処理するようになるため、周囲が子どもの異常に気づかないケースも目立ちます。片方の視力の発達が阻害されると、空間を正しく捉えることが難しくなります。
弱視を見つけるには3歳児健診などで検査する必要があります。大人と同じC字による視力検査は3歳頃からできます。次に行う屈折検査では、機器を覗き込み、映し出された気球の絵などを見ます。目に入った光がどのようにかえってくるかを分析し、遠視や近視、乱視などの状態を調べます。1991年から自治体が主体となり、3歳児健診で視覚検査が導入されてきました。近年はハンディータイプの屈折検査機器などが開発され、短時間で簡便な検査が可能となっています。
弱視の治療には、早期に視力に合った眼鏡を使うことが重要です。目の網膜にピントがあった状態にして物を見続けることで、視力が次第に発達します。不同視弱視では、視力が回復した後も1日1時間程度、良い方の目を眼帯で覆う治療を行います。通常、視力は治療開始から数か月かけて徐々に良くなります。

(2022年6月5日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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