子どもの睡眠障害

睡眠には、脳や体が休んでいるノンレム睡眠と、脳の一部が起きているレム睡眠があります。ノンレム睡眠中は、成長ホルモンが分泌されます。このホルモンは、骨や筋肉の成長を促し、体の疲労を回復させる働きがあります。
眠くなるのは、脳にある松果体から分泌されるホルモンであるメラトニンが関わっています。夜に暗くなると眠りを誘い、日中は目覚めて活動的になるといったリズムを作る働きを持っています。しかし、夜更かしや寝坊などで生活リズムが乱れると、メラトニンの分泌が鈍り、夜の寝付きが悪くなる入眠困難や、寝ている途中に何度も目が覚めてしまうなどの睡眠障害が起こりやすくなります。
人との交流や意思疎通が苦手な自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害などの発達障害を抱える子どもは、睡眠障害の割合が高くなります。睡眠不足の影響を受けやすく、発達障害の症状が悪化しやすくなります。多動や興奮状態などが目立つようになり、問題行動の頻度が増えてきます。学校生活にも支障が出て、不登校につながることもあります。
発達障害の子どもの睡眠障害の治療薬として、メラトニンを主成分とするメラトベルが公的医療保険で認められました。メラトニンは、欧米では睡眠薬やサプリメントがありますが、日本では、医薬品として承認されていません。睡眠障害の治療には、生活リズムを整えることも大切です。朝日の光を浴びる、朝食をとる、昼間に体を動かす、といった生活習慣の改善も併せて進めます。

(2020年9月13日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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