子どもの視力低下

文部科学省の学校保健統計調査によれば、裸眼視力が1.0未満だった小学生は34.10%(2018年度)でした。1979年度の調査開始時からほぼ倍の割合で、過去最高でした。0.3未満の子も9.28%を占めています。強度の近視には遺伝的な要因と環境的な要因がありますが、スマートフォンやゲームが近視の原因の一つと考えられています。文字が小さく、近い距離で光にも触れるため、目への過酷な刺激があります。スマホよりは、タブレット端末、さらにはテレビのほうが、影響は小さいと考えられています。この調査では、眼鏡などで矯正していない小学生のうち、14.22%が視力0.7未満は、教室の真ん中より前の席にいても、黒板の小さい文字があまり読めない度数とされています。
眼鏡は弱めに作ったほうが良いなどの重い込みに基づき、よく見えないままになっている子もいます。ぼんやりとしか見えていない状態を放置すると、近視が進む恐れがあると考えられています。片目ずつで1.0が見えるようにするのが基本です。強すぎる眼鏡も近視を悪化させかねないため、眼科を受診して正しい視力を測ることが大切です。
視覚を司る脳は、小学校低学年くらいまでにできあがっていきます。この時期までは、できればスマホやゲームには触れさせないほうが良いと思われます。

 

(2019年7月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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