子どものBMI

 近年、DOHaD Developmental Origins of Health and Disease)という概念が注目されています。これは、胎児期から乳幼児期にいたる栄養環境が、成人期あるいは老年期における生活習慣病の発症リスクに影響を与えるという考え方です。こうしたDOHaD概念とあいまって、子ども時代に熱い視線が注がれています。深刻化する生活習慣病をにらみ、医療が子どもや幼児への介入を試みる例は増えてきています。
 独協医大の市川助教らの研究によれば、BMIは生まれた時は高いのですが、徐々に減り、56歳で跳ね返るように上昇します。この跳ね返りの時点が早い幼児は、BMIが通常の子どもより高くなり、将来肥満になりやすいことを明らかにしています。思春期肥満の約8割は、成人肥満につながります。脳卒中などを引き起こす成人肥満に対し、幼児期での未然防止に注目しています。3歳児健診で肥満ハイリスク群として見つけ、食事指導などで予防してゆくことが大切となります。

(2017年3月16日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)

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