子どもをもつということ - がんと妊娠を考える -Ⅴ

HPVワクチンを巡る経緯
子宮頸がんを予防するためには、HPVワクチンの接種が有用です。2019年2月現在、国の予防接種プログラムとして、HPVワクチンが導入された国は92ヶ国にも達しています。わが国でも、2013年4月に予防接種法に基づく定期接種が開始されました。しかし接種後に、様々な副反応が報告され、厚生労働省は、2013年6月にワクチン接種の積極的勧奨を中止しています。世界各国は、HPVワクチンの予防接種プログラムを開始し、多くの国では5割を超す接種率となっていますが、わが国では0.6%と極めて低率な状況が続き、6年以上が経過しています。

 

HPVワクチンの先進国であるオーストラリアでは、2020年には子宮頸がんは希少がん(6人未満/10万人)となり、2028年には根絶(4人未満/10万人)されるとしています。HPVワクチン接種は、マザーキラーと呼ばれる子宮頸がんの予防につながり、若い女性が子宮頸がんの脅威から守るためにも、わが国も一日でも早いHPVワクチン積極的勧奨の再開が望まれます。

 

(吉村 やすのり)

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