子宮内膜症 治療薬の開発

浜松医科大産婦人科学講座の杉原一広准教授らの研究チームは、22日子宮内膜症の細胞だけを標的とした薬剤の開発を進め、動物実験で効果が得られたと発表した。今後、臨床試験に進み、根治につながる治療薬の実用化を目指す。

研究チームは、アミノ酸が繋がってできる「ペプチド」の一種が、子宮内膜症に冒された細胞だけに結合する特性を発見。正常な腹膜や臓器には結合せずに幹部に薬が運ばれるよう、ペプチドと組み合わせた薬剤を開発した。ヒヒを使った実験では、薬剤投与の20時間後に患部に明らかな治療効果が認められ、副作用もなかったという。成果は22日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版で発表された。

子宮内膜症の治療には、ホルモン療法や痛み止めによる苦痛の軽減、腹腔鏡による患部の切除があるが、杉原准教授は「対症療法だけで根治に繋がる治療薬は見つかっていない」と説明、新たな薬剤が画期的な治療薬開発に繋がる可能性を強調した。

(吉村 やすのり)

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