子宮移植を考える―Ⅺ

子宮移植にあたっての留意点―③
 子宮移植後の経過が順調であれば、1年後に凍結させて保存しておいた受精卵を移植された子宮に戻し、妊娠・出産させることになります。その後、帝王切開で娩出後、再度子宮を摘出しなければなりません。レシピエントが妊娠に成功した場合、少なくとも三度開腹手術を受けることになります。さらにレシピエントは、子宮移植後から妊娠・分娩し、子宮摘出までの期間、長期にわたって免疫抑制薬の服用が必要となります。当然のことながら、産まれてくる子どもは、胎内において免疫抑制薬にさらされていることになります。免疫抑制薬が胎児の発育に与える影響については、現在のところ不明であると言わざるを得ないことから、こうしたリスクについてもレシピエントに十分に説明しておく必要があります。

(吉村 やすのり)

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