学び直し

地方の中小企業で人手不足が深刻化する一方、大企業を辞めてすぐに地方に転職することをためらう社員も多いと思われます。経済産業省は、大都市で働く大企業の中堅社員を念頭に、地方の中心企業への転職を後押しする取り組みを始めています。地方の大学で研究員として学び直しをしつつ、地元企業と関係を持ちながら相性が合えば転職できるようにする試みです。働き盛りの40歳代に転職の機会を広げるとともに、地方企業の人材獲得につなげることができます。
信州大学は、みずほ情報研や日本人材機構などと組み、10人程度を募集しています。経済産業省は、同大学などがネットワークをつくる必要経費を支援します。想定するのは経営企画や海外販路開拓、新事業開拓・商品開発、生産性向上を手掛ける人材です。関心のある大企業社員は、辞めるか休職するなどの形で、信州大学の客員研究員の資格を得ることができます。半年間、キャンパスで地域経済の活性化策や経営支援などを学びます。一方で週3日程度は地元の中小企業を訪れ、事務や生産現場などに密着します。大企業で培ったスキルも生かし、生産性向上などに向けた解決案を提案します。経済産業省は地方大学の資源の有効活用ができる一方、中小の事業承継問題の解決にもつながると考えられています。

(2018年8月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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