学校での推定感染経路

日本小児科学会は、新型コロナウイルスへの子どもの感染に関する全国規模の調査結果をまとめています。全国の小中高校などは昨年3月から、政府の要請を受けて一斉に休校しましたが、休校中も本格的な再開後も、子どもの主な感染経路は両親など家庭内でした。再開後は生徒ではなく、教員らからの感染が増えています。
夏休みも考慮して昨年8月までを学校再開前、9月から12月までを再開後として特徴を比べています。再開前に登録された449人のうち70.9%が両親などの家族からでした。再開後に登録された391人でも、74.5%が家族からで、家庭内での感染が最も多いことに変わりはありませんでした。
学校での感染の割合は、再開前が4.2%でしたが、再開後では8.4%となり、割合が増えています。推定された感染経路は、教員などの大人からが再開前の0.2%から再開後の4.1%に増えたのに対し、友人などの子どもでは、再開前は2.7%、再開後が3.8%で、差は認められませんでした。
場所が学校であれ家庭であれ、ウイルスが伝わるのが主に大人からであることに違いありません。子どもを守るためにも、大人は、積極的にワクチンをうち、会食を避けるなどの注意を続けることが大切です。

(2021年7月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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