学校給食の公会計化

公会計とは、学校給食費などの管理を学校に委ねず、自治体の会計に組み入れる制度のことを言います。学校の働き方改革の一環として、文部科学省が推奨していますが、公会計化しても学校ごとの徴収・管理を維持したままの自治体もあります。導入が教職員の負担軽減につながるだけでなく、保護者側の利便性も高まるとされています。他の住民サービスと同様、給食費がコンビニエンスストアやインターネットで納付できたり、税金と一緒に引き落としされたりすることが考えられます。
文部科学省の調査によれば、給食費を公会計化して自治体による直接の徴収を実施していると回答したのは、26.0%(438教委)にとどまっています。準備・検討しているが31.1%(524教委)で、実施を予定していないの42.9%(724教委)と合わせると、実施していない教委が7割を超えています。公会計化の支障の要因としては、情報管理のための業務システムの導入・改修費用や人員確保が上げられています。
文部科学省によると、学校ごとで管理する場合、保護者が児童生徒に現金を持たせたり、学校長名義で開設した口座に振り込んだりする形で徴収し、未納の家庭には、教職員が訪問して集金するケースも多くなっています。公会計化の導入で、自治体予算の予備費などを給食費に充てる対応も可能になります。また、教職員の業務削減効果がみられ、教員が子どもの指導に専念できる環境づくりにつなげられます。

 

(2020年11月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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