学童保育の基準緩和

政府は、11月の地方分権改革有識者会議で、児童福祉法に基づく省令で定める学童保育(放課後児童クラブ)の職員の資格や人数の基準を参酌(参考にすべき)基準に変更する方針を示しました。早ければ来年の通常国会に改正法案提出を目指します。従来の基準を守るかは、市町村の判断に委ねられことになります。これにより、共働き世帯やひとり親家庭の小学生が放課後を過ごす学童保育について、政府は職員の配置や資格の基準を事実上撤廃することになります。
学童には地域のボランティアや保護者らが携わっていることも多く、規模や運営方法にもバラツキがあります。一部の自治体からは、待機児童に対応するための人手不足や、子どもの人数が少ない地域や時間帯があるなどとして裁量を主張し、要件緩和を求め始めていました。しかし、子どもの人権や福祉を考えて決められた基準が、国と地方のあり方を議論するシステムの中で簡単に変更されてしまうのはおかしいとの意見もあります。いずれにしても、学童保育の質が保たれるかどうかが問題となります。

(2018年12月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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