定年消滅のための3つの要因―Ⅰ

生物学的要因
定年消滅時代が始まる要因は、大きく3つあります。1つ目は、長寿命化という生物学的な要因です。現在の高齢化社会は、少子化と長寿命化の2つに要因分解できますが、少子化は克服すべき今後の課題です。一方、わが国の医療政策により、健康寿命の延びを伴う長寿命化は、わが国の戦後の素晴しい医療政策により、健康寿命の延伸を伴う長寿命化が達成されてきています。約20年前に比べ、日本の高齢者の体力は5歳以上若返っています。
これまで、就労期の人たちが幼少期と高齢期の人を扶養する形で社会を維持してきました。健康寿命が延びたなら、就労を軸とした現役時代が延びることになります。長寿命化に対応した制度変更として定年消滅などの動きが加速しています。就労期の延長が定着すれば、将来の高齢化社会の風景も大きく変わってきます。

(週刊東洋経済 10月17日号)
(吉村 やすのり)

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