家事・育児時間の男女差と少子化

様々な社会要因のなかでも、男性の育児や家事など家庭進出の度合いが出生率に大きく影響を与えています。女性に家事や育児の負担が偏るのは、程度の差こそあれ多くの国や地域で根強いものがあります。その差が男女で大きくなればなるほど少子化が進みやすくなっています。
OECDの2019年のデータでは、日本と韓国の男女差が際立っています。日本の女性が家事や育児に割く時間は、男性の4.76倍、韓国では4.43倍に上っています。ともに男性の参加時間は女性の2割ほどです。両国とも急速な人口減少につながる出生率1.5を下回り、韓国は2020年の出生率が0.84まで低下しています。男女差が2倍以内の国では、概ね出生率1.5以上を維持しています。
女性が、育児の大半を担うことで出産が低下することは経済学的に裏付けられています。欧州以上に日本や韓国の男女の分担が不平等なことは、両国の低出生率と密接に関係していると指摘されています。

(2021年10月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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