家族類型別世帯の割合の変化

2010年の国勢調査によれば、単身世帯が、夫婦と子で構成する世帯を上回り、最も多い家族類型になりました。世帯割合の推移をみると、単独が占める割合は、1980年は約20%、夫婦と子の割合は約42%でした。2010年に逆転しています。単独が初めて30%を超え、類型別で最多となりました。現在の状況が進めば、2040年には40%を占めるようになると推計されています。一人住まいの高齢者の介護が、一層大きな社会問題となってきます。
結婚したり、子どもを持ったりすることのリスクを考えると、独身生活が良いと思う人が増えてきています。結婚までのプロセス、うまくいかなかった時、離婚にかかる労力が煩わしいとする人もいます。子が問題を起こして親が責任を問われるニュースを見るたびに、親になるリスクを感じる人もいます。現在は男性の4.4人に1人が、女性の7.7人に1人が生涯未婚です。結婚は個人の意志が尊重されることは当然のことですが、このままの状況が続けば、子どもを持たない高齢者ばかりが増えることになってしまいます。子どもを持ちたいと思ってもらえるような社会を作ることが、何よりも先決です。

(2018年7月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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