尋常性白斑症の治療

 尋常性白斑症とは、紫外線から皮膚を守るメラニン色素を作る機能が失われ、皮膚の色が白く抜けていく病気です。この患者に対し、本人の皮膚細胞を培養して作った表皮細胞シートを移植する臨床研究が開始されています。尋常性白斑では、皮膚にある色素細胞が減少したりして消滅したりして、メラニン色素が作られなくなります。ストレスも一因と考えられていますが、原因は不明です。全人口の0.51%が罹患するともいわれ、主にステロイド剤の外用などで治療しています。
 培養皮膚の移植は、これまで重度の火傷や、生まれつき体に黒褐色のあざがあり皮膚がんの発症リスクが高いとされる先天性巨大色素性母斑の治療で保険が適用されていました。今回、患者のわきの下などから切手大の皮膚を採取し、表皮細胞をシート状に培養し、移植します。約50万円の治療費は患者負担となりますが、患者の皮膚を直接移植する従来の方法より広い範囲を治療できるといったメリットがあります。

(2017年8月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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