小中高校生の自殺・虐待件数の増加

文部科学省が、12年前に作られた教員向けの手引である生徒指導提要を初めて改訂します。近年急増している児童生徒の自殺をめぐっては、予防のあり方から事後対応までそれぞれの場面での対応に言及しています。同様に相談件数が急増している児童虐待では、厚生労働省のガイドラインを引用し、禁止されている親権者による体罰を例示しています。児童相談所への通告義務といった学校の役割や、関係機関との連携や情報提供についてもまとめています。
教育現場では、ベテランを中心に旧来の威圧的な指導から抜け出せない人も少なくないのが実情です。一部の教員の子どもの人権への意識はまだ低く、怒鳴ったり、誤認した事実をもとに、詰問したりする不適切な指導も後を絶ちません。子どもに大人と同じ基本的人権があるということを忘れてはいけません。
学校には、丁寧な生徒指導をするための人員が圧倒的に不足しています。現在は複数校を順かいしているスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの常勤化を、厳しい状況の学校から急ぎ進めるべきです。同時に、生徒の支援専門の、学級などを持たない教員の配置も必要です。

(2022年9月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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