小児・AYA世代のがん罹患率

国内では、年間約100万人ががんと診断されています。そのうち0~14歳の小児がん患者は約2千人、15~39歳のAYA世代と呼ばれる患者は約2万人とされています。国立がん研究センターの統計によれば、小児がんでは白血病が38%で最も多く、15~19歳でも白血病が最多ですが、24%まで減少しています。
30代で最も多いのが乳がんで22%、子宮頸がんは13%で、AYA世代のがんの多くは女性のがんです。がん患者の6割は男性ですが、20代や30代など若い世代のがんにおいては、女性の方ががんに罹患しやすいことを忘れてはいけません。それは女性特有のがんである乳がん、子宮がんの発症が多いことに起因しています。
子宮頸がんの95%は、性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。子宮頸がんは20歳以上で2年に1回の検診が推奨されています。子宮頸がんは、HPVワクチンにより予防可能ながんです。今年4月には、約9年ぶりに子宮頸がんを予防するHPVワクチンの積極的勧奨が再開されました。性交渉前の接種が望ましく、定期接種の対象は小学6年~高校1年相当の女子です。この9年間に打つ機会を逃した人いわゆるキャッチアップ世代にも、原則無料で接種できる制度があります。

(2022年8月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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