少子・高齢化社会の到来―Ⅲ

子育て支援の強化
バブル経済崩壊後に非正規雇用や未婚者が増えたことにより、企業による終身の雇用保障や、家族による子育て・介護などの仕組みが崩れ、少子化が加速したと考えられます。これまでの日本の社会保障給付は、高齢者向けの年金、介護など高齢者に手厚い一方、子育て支援には極めて少ない状況にあります。全世代型社会保障とは、これを子育て世代や若者、女性を含めた全ての世代に対応する形へ転換することを指しています。
安倍政権も、女性活躍推進法や1億総活躍プラン、働き方改革、幼児教育・保育の無償化で、現役や次世代重視の姿勢を打ち出しています。しかし、現在のところ出生数の減少に歯止めがかからず、地方の人口減少と人手不足は深刻化しています。子育てを支援する家族政策を強化し、育児休業中の給付の充実や保育所の計画的増設により、女性が子育ての不安なく就労を継続できる環境を整備することが大切です。年金の支給開始年齢を引き上げるなど高齢世代への給付を圧縮する一方、若者や女性の就労促進を進め、失業率低下や成長率の回復につなげることが必要です。

(2018年10月25日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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