巣ごもり消費の増加

新型コロナウイルスへの感染防止で、外出を控える動きや在宅勤務が広がり、自宅で過ごす時間が増えたことで消費者の行動が変わってきています。総務省の家計調査では、2020年12月の消費支出のうち食料では冷凍調理食品やチューハイ・カクテル、即席麺などが前年同月を上回っています。加湿器や空気清浄機を含む冷暖房用器具、ゲームソフトなども増えています。

一方、家計調査では、航空や鉄道などの交通費、パック旅行費、映画・演劇などの入場料、食事代、口紅などへの支出が大きく減っています。巣ごもりの恩恵を受ける食品メーカーも、飲食店やホテル向けは落ち込んでいます。企業は、非接触、宅配など新常態のニーズに応える商品・サービスの開発を急いでいます。
スーパーでの滞在時間も減少し、買い物に出かける頻度も下がっています。スーパーに並ぶ商品の種類が減っています。日経POSのデータによれば、2020年に食品・日用品の7割の品目で商品数が減少しています。口紅は18%減、乳酸菌飲料は13%減など、67%の品目で商品の種類が減っています。マスクは24%増など一部の衛生用品じゃ商品数が増えています。商品数が減ったのは口紅をはじめ外出自粛などの影響を受けたものが多いのですが、巣ごもり消費で需要が増えたはずの品目でも、商品数の減少が目立っています。

先行き不透明感で節約志向が続き、メーカーや小売店は商品数を増やしにくい環境にあります。元々食品・日用品は消費者の関心を引こうと頻繁に新商品を投入し、商品数が多すぎるという指摘もあります。感染拡大が沈静化しても、商品の淘汰が続く可能性があります。

(2021年2月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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