幼稚園の2歳児受け入れ

 厚生労働省が発表した待機児童の数は、20174月時点で全国約23,700人でした。女性の社会進出で共働き世帯が増えたにもかかわらず、保育所の体制が追い付かず、待機児童問題は3年連続で増え続けています。このうち、12歳児が16,758人と7割以上を占めています。この待機児童対策の一環として、文部科学省と内閣府は、幼稚園が通常より1歳年少の2歳から受け入れやすい仕組みを整えようとしています。既存の幼稚園を活用しながら待機児童も減らしていくのが狙いです。
 幼稚園は年度初めに3~5歳の子どもを午前10時から午後2時まで預かるのが基本です。保育所の8時間より短く、共働き世帯は使いにくくなっています。幼稚園はミニ保育所を併設したり、保育所機能をもつ認定こども園に移行したりしています。しかし、保育所と同じように0歳児から受け入れるのが条件となっています。0歳児から受け入れるには、設備と人材の両面で相当な準備が要り、幼稚園が保育所の機能をもつのを難しくしていました。文部科学省などは、来年度にも幼稚園が2歳児の保育だけ加える運営形態を幼稚園接続保育などと名付けて解禁することにしています。2歳児を預かるための保育室を置く改修費用を補助する考えです。2歳児を受け入れる幼稚園は、定員管理を柔軟にし、保育士を多数採用しなくて済むようにします。

(2017年8月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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