引きこもりに対する支援

長期間、引きこもっていた人の社会復帰は容易ではありません。引きこもりは、就職活動や職場の人間関係のつまずきがきっかけで始まることが多いとされています。内閣府の2016年の調査によれば、15~39歳で全国に約54万人が該当すると推計されています。引きこもりの期間は長期化し、平均年齢は上昇傾向にあります。NPO法人KHJ全国引きこもり家族連合会の調査によれば、2005年に平均年齢は28.1歳でしたが、2016年は32.7歳に上昇しています。また平均引きこもり期間は7.5年から10.8年に伸びています。
厚生労働省は、引きこもりの状態にある人の社会復帰に向けた支援を強化します。2018年から担当者が戸別訪問し、自治体による就労体験などへの参加を促す取り組みを始めています。養う親も高齢化が進み、その死後の生活基盤をどう保つかが課題になっています。社会復帰に向けて就労体験は貴重な機会ですが、本人のペースに合わせることが大切です。訪問を含む息の長い支援が必要になります。

(2018年4月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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