待機児童問題を考える―Ⅰ

待機児童とは
 待機児童とは、自治体が認可する保育施設に申し込んで入れなかった子どものことです。厚生労働省によれば、待機児童は今年41日時点で全国に26,081人です。昨春より2,528人増えており、増加は3年連続です。①保護者が育児休業中、②保護者が求職活動を休止、③自治体が独自に助成する認可外施設を利用、④特定の保育所のみを希望の、いわゆる隠れ待機児童は、4月時点で計69,224人であり、待機児童の2倍以上にあたります。
 厚生労働省は、今春から育児休業中でも復職の意思がある場合は待機児童に含めると定義を改めています。1990年代の統計では、認可保育所に入れない子どもを全て待機児童としていましたが、自治体が助成する認可外施設が増えてきた2001年、そうした施設の利用者などは除外する方針に転換しました。そのため、待機児童数は、2000年の約34,000人から2001年の約21,000人に激減しました。国は保育サービスを拡充していますが、共働き家庭が増えたことや待機児童問題の定義を見直したことなどで、3年連続で前年を上回っています。

 

(2017年9月10日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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