心の病の理解と対応―Ⅱ

精神疾患の患者数の増加
厚生労働省の患者調査データによれば、うつ病、統合失調症、不安症などの精神疾患による通院患者は増加の一途であり、精神疾患を有する患者はおよそ420万人とされています。この患者数は、糖尿病や高血圧などの生活習慣による疾患よりも多くなっています。WHOのまとめによれば、生涯のうち4人に1人は何らかの精神疾患に罹患しているにもかかわらず、その3人に2人は受診の機会を失していると言います。
精神疾患は、自らは病気と気づきにくいという特徴があります。未治療、未受診の問題に加えて、治療開始の遅れが課題となっています。明らかに精神に変調を来しても、なかなか専門家を受診しません。その長きにわたる治療のロスタイムが疾患の経過に悪影響を与えています。統合失調症の場合には、半数以上の人が受診までに半年以上を要しています。

(よぼう医学 2022 AUTUMN)
(吉村 やすのり)

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