急性アルコール中毒

急性アルコール中毒が原因で救急搬送される人は、20代が群を抜いて多くなっています。飲酒で血中アルコール濃度が上昇すると、アルコールの脳への作用で口数が増え陽気になります。さらに上昇すると、真っすぐに歩けない、ろれつが回らない、立てないといった状態になります。酩酊して記憶を失うと、転倒や転落、他者への暴力などのリスクを招き、大きな代償を払うこともしばしば見られます。お酒を飲み慣れていない人は、血中アルコール濃度が0.05~0.1%のほろ酔いで止めておくのがベストです。体重60㎏の男性の場合、ビール中瓶で1~2本、中ジョッキだと2杯飲むくらいです。日本酒で1~2合、ウイスキーだと3杯に相当します。
アルコールは脱水作用を招きやすいため酒と一緒に、同量または多めの水を飲むことが大切です。脱水が進むと不快な喉の渇きや、頭痛、倦怠感、酷い時は血液がドロドロになって心筋梗塞や脳血栓を引き起こすこともあります。水を飲むと満腹感が得られるうえ、体内のアルコールを薄めて、吸収を穏やかにする効果もあります。アルコールの代謝能力には男女差があります。一般的に、男性より体の水分量が少ない女性は、血中アルコール濃度が上がりやすく、肝臓でのアルコール分解に時間がかかるため、男性よりも飲酒の影響を受けやすくなります。

(2018年3月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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