急性内斜視とは

急性内斜視とは、一方の目の視線が鼻側に寄る内斜視のうち、生後6カ月以降に突然発症するものをいいます。若者を中心に急性内斜視の患者が増えています。片方の黒目が内側に向き、物が二重に見えるようになります。この複視は、急性内斜視に特有で、生まれながらの内斜視では見られません。
斜視は、眼球を動かす働きを持つ筋肉と密接な関係があります。日頃物を見る時は、眼球を内側に向ける内直筋と外側に向ける外直筋などの筋肉が、左右の目の視線を合わせています。近くを見る時、通常は内直筋が縮んで眼球を内側に寄せ、寄り目の状態で焦点を合わせようとします。急性内斜視になると、内直筋が縮んだままとなり、遠くを見ても寄り目が戻らなくなってしまいます。すると両目の視線が一致しなくなり、物が二重に見えてしまいます。
発症の引き金とみられるのがスマホの使い過ぎです。スマホはパソコンよりも目に近い位置で画面を見るため、長時間凝視すると内直筋が収縮したままになりやすくなります。スマホを見る時は、画面を目から30㎝以上は離すことが必要です。使用中も10分に1回は、3~4m離れたところを見ると良いとされています。

(2019年3月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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