急性虫垂炎の手術の減少

急性虫垂炎の手術は減少しています。虫垂は太さが5㎜ぐらいで、長さは5~8㎝ほどで、その中で菌が繁殖して炎症が起きると、急性虫垂炎になります。30年ぐらい前までは、急性虫垂炎と分かれば手術で虫垂を取るのが普通でした。しかし、超音波などの検査の精度が良くなって、お腹を切らなくても病気の進行度が分かるようになってきました。3分の1ぐらいは、腫れが小さいカタル性と呼ばれるタイプで、手術をせず抗菌薬だけで治ります。
英国では1990年から1997年の間に、男子で15%、女子で20%も手術が減っています。米国のデータでも2000年から2006年で10%減っています。今は腹腔鏡を使った手術で2カ所の5㎜ほどの穴で済むから傷も目立ちません。国内の手術では、10~14歳の男子が多く、毎年1万人あたり13人ほど手術を受けています。
急性虫垂炎の痛みの特徴は、だいたいお臍の近くが痛くなって、その後右下腹部に痛みが移動していきます。右腰のあたりの骨から、お臍まで3分の1ほどの距離にマックバーネーの圧痛点があり、そこがだいたい虫垂の付け根あたりで、押すと特に痛みを感じます。抵抗力が弱くなった時に罹りやすい傾向はありますが、はっきりとした原因は不明です。

(2020年12月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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